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    応用プロジェクトV
 

CONTENTS

1. 研究室の活動

2. 研究活動
2.1. 論文
2.2. 現地調査等
2.3. 書籍
 

3. イベント

3.1. 年間イベント表
3.2. ミーティング
3.3. 勉強会
3.4. 合宿
3.5. 留学・インターン等
 


4.講義
4.1. 講義
4.2. 応用プロジェクト5

 
 応用プロジェクトVは、国内外の社会問題を解決するプロジェクトの提案や分析に必要な知識と技術の習得をグループでの演習を通じて体験してもらうことを狙いとした当研究室の提供する学部3年生向けの演習です。
 これまで、本演習では、下記のようなテーマ・方法論を扱ってきました。例年、学期終了後に、希望者が調査対象の現地に赴き、それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し、意見交換を行う機会を設けています。
 
 
2015年度:スリランカ・高速道路プロジェクトに関する社会調査の設計

 社会調査は、国際プロジェクトを実施するにあたり、影響を受ける住民の要望やニーズをプロジェクトそのものやその実施過程に反映させるための重要なツールである。本年度の演習は、スリランカの高速道路網整備プロジェクトに関する社会調査の設計を最終的なゴールとし、現実の課題や理論を踏まえて社会調査を設計するプロセスとそのむずかしさを体験してもらうことを目的としている。
 学期終了後,希望者が現地(スリランカ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2014年度:途上国における社会イノベーションを生み出すイノベーションワークショップの実践

 我が国も含めて世界各国では社会イノベーションのニーズが高まっている.たとえば,2011年の東日本大震災で被災した地域の復興では,元々の過疎化・少子高齢化などの問題が複雑に関係しており,価値の対立が顕在化して行き詰まることも多い.あるいは,途上国の交通渋滞を解決するためには人々の行動変容(あるいはそのための根本的規範の変革)が必要であるが,これも容易には達成できない課題である.これらを解決する手段が社会イノベーションであり,たとえばストックホルムの渋滞税導入や,コロンビア・メデジンにおける図書館建設計画などは,人々の行動や認識,規範の変革にまで及んだ例であるといえよう.
 一方,こうした「解決策」を発想するためには,問題の分析だけでは不十分であり,アブダクションによる発想を支援する手法が有効である.たとえば,他分野・領域の事例を分析してアナロジーを活用することや,集合知をうまく利用するためにグループワークを取り入れることは有効であるが,こうした解決策のデザインプロセスに関する教育は未だ十分とはいえない. そこで本演習講義では,デザインプロセスを体験・学習することと,途上国(2014年度はインドネシア・ジャカルタ)における諸問題(例:人口問題,交通問題等)を解決するための社会イノベーションを発想することを目的として,イノベーションワークショップを実践する.具体的には,既存のイノベーション(社会イノベーション,ソーシャルエンタープライズ,ビジネスなど)の事例を分析し,そのメカニズムを上位概念化した後,アナロジーを用いて途上国の諸問題を解決できそうなアイディアを生み出すことを目指す.
 学期終了後,希望者が現地(ジャカルタ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2013年度:国際プロジェクトに関するケース作成

国際プロジェクトを対象として,学部・大学院講義で利用可能な水準のケース作成を目指す.具体的には,
  1. ハーバード・ケネディスクールのケースライブラリから1つケースを選んで,異なる観点でケースを書き直す.具体的にはライブラリを検索し,関心・重要性・情報の入手可能性などの基準でケースを絞り込む.選択されたケースについて,異なる観点(あるいはより適切な観点・情報,最新の情報)でケースを作り直していく.
  2. 2011年タイでは,9月半ばから北部の主要なダムが許容降水量を超え,チャオプラヤ川下流域で大規模な河川氾濫を引き起こし,バンコクの工業地域などを含む広域にわたり甚大な被害を生じさせた.経済も深刻な影響を受けたが,海外からの投資の呼び込み等に成功し,翌年にはプラス成長に転じるなど比較的速やかな回復を実現している.(本事例においては日本企業の行動は重要な役割を担っていた.)それを可能とした要因や実現したプロセスについて検討するケースを作成する.
  3. (ブータンの電化事業の成功要因分析) 2000年頃からブータンでは,国王のリーダーシップのもと,強力な電化政策が実施され,短期間のうちに,電化率約90%という高い電化を達成した.この電化に当たっては,JICAをはじめとする国際開発援助が大きな役割を果たした.本ケースは,JICAをはじめとする援助機関の報告書等を参考に,ブータンにおける電化プログラムの概略を把握した上で,電化の成功要因について,国内的な政治・文化的背景,国際的な電力事情,援助プログラムの特性などを考慮しながら考察する.主な対象は,電化マスタープラン,配電線延伸の円借款プログラム,現地専門家の能力開発プログラムである.ケース作成に当たっては,JICAの鈴木薫様(産業開発・公共政策部・参事役)にご協力いただき,現地日本人専門家へのメールインタビューをしたり,必要に応じて他国の類似プロジェクトとの比較検討等を行う.
学期終了後,希望者が現地(バンコク)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2012年度:国際プロジェクトに関するケース作成

国際プロジェクトを対象として,学部・大学院講義で利用可能な水準のケース作成を目指す.具体的には,
  1. 中国におけるJICAの技術協力「人とトキが共生できる地域環境づくりプロジェクト」を題材としてケース作成を行う.本プロジェクトは中国・陝西省洋県および寧陝県,河南省羅山県を対象として,人とトキの共生に向けた環境が整備されることを目標とするものである.この目標を達成するために,(1)環境情報(トキを含む自然環境および社会環境)の整備,(2)トキの野生復帰を行う体制の構築,(3)住民参加型事業のモデルの構築,(4)トキを含む自然環境保全に関する関係者の意識向上を図ることとなった.本プロジェクトを実現するに当たっては,地域環境の保全と開発といった価値におけるステークホルダー間の合意形成,持続的かつ自立的なプロジェクト実施,ODAとしてのプロジェクト形成など,複数の論点について検討する必要があった.ケース作成では,本プロジェクトに携わってきたJICA・鈴木和信様にご協力いただき,JICAやその他有識者へのインタビュー調査も行いながらケース作成を目指す.
  2. 韓国企業のインドでの現地化戦略を題材にしてケース作成を行う.現地化戦略や人材戦略といった視点から,エレクトロニクス産業における事例を中心に(一部自動車の事例も活用の可能性あり)取り扱う. インドにおいて韓国企業は日本企業よりも商品開発・マネジメントの現地化や人材活用,地域専門家制度など韓国人駐在員候補の育成などにおいて優位に立っているといわれる.その優位の源泉についてハーバードのケースやインタビューなどから分析することを目指す.
  3. 太陽光発電を通じたラオスの無電化村落の電化事業を対象にケース作成を行う.太陽光による電化は,コスト以外でも維持管理の方法を含めて村落開発の社会システムの確立が必要不可欠の課題の課題となっている.本ケースはJICAを始めとする援助機関の報告書等を参考に,無電化村落の現状を把握した上で,実際に裨益する無電化村落の住民,技術者,電力公社,民間企業,金融機関,地方・中央政府などが関与する効果的かつ効率的な普及モデルを検討することを目的とする.対象は,ラオスでの太陽光による村落電化を取り上げ,可能な範囲でバングラディシュ等他の国での活動と比較しながら検討する.ケース作成では,本プロジェクトに携わってきたJICA・加藤俊伸様にご協力いただき,日本人専門家へのインタビュー,バングラ等の他国プロジェクトとの比較検討なども実施する.
学期終了後,希望者が現地(インド)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2011年度:国際プロジェクトに関するケース作成

国際プロジェクトを対象として,学部・大学院講義で利用可能な水準のケース作成を目指す.具体的には,
  1. 日系企業の海外進出事例としてNTT DoCoMoのインド進出を取り上げてケース作成を行う.NTT DoCoMoはインドのTata TeleservicesとJVを組み,Tata DoCoMoとしてインドでも3G通信サービスやiモードを提供している.通信事業に限らず,国内市場の成長が鈍化する中本邦企業の海外進出は不可避であり,その好例として本事業を分析する.携帯通信事業では,通信システムの世代(3G/GSM),規格(W-CDMA/CDMA2000),割り当て周波数などでの競争があり,DoCoMoは自社を含む連合で開発したW-CDMA規格の普及に取り組んできた.今後LTE,WiMAX,HSPA+など,あるいはそれを超えた4G世代の通信システムの時代を見据えて,さらに規格・ユーザー獲得競争が激化するとみられている.海外進出はその手段としてもきわめて重要であり,他の事業分野でも活用可能な普遍的知見がないか,が本ケース作成におけるポイントとなる.基本的には,DoCoMoとTataの交渉(特に2006年4月の交渉開始までと,2008年11月までのJV開始まで)における意思決定過程の分析を行い,DoCoMo側の意思決定分析をメインにしたケースを完成させるとともに,Tata側のケースドラフトを作成することを目指す.ケース作成のためにDoCoMoなどへのインタビューを検討している.
  2. ベトナムにおいては,アジア開発銀行の融資で計画されているハノイから,中国雲南省の昆明(Kunming)までを結ぶ総延長244km高速道路の建設が予定されている.(中国内部分は2008年に完成している.)現在2日間かかる行程を,1日以内での移動を可能とするものとして期待は大きかった.総工費は12億ドル(計画時)であり,アジア開発銀行は,大メコン流域開発のプロジェクトの一環として,ベトナムに対する融資として過去最大となる11億ドルを提供している.本計画は2012年完成予定であったが,予定より大幅に遅れている.その理由の一つは,土地収用等が進んでいないことである.その背景には,このような大規模プロジェクトの実施に不慣れな地方行政府や,土地収用や住民移転に対する補償ポリシーの変更等に対する住民の不満などがある.本講義では,住民移転に関する組織体系や,そのような組織体系における意思決定等に関する問題を考慮したうえで,住民移転や土地収用に関する問題点とそれに対する対応の立案をおこなう.そのうえで,そのような議論を促すためのケースの作成をめざす.
  3. ビルマ(ミャンマー)で,JICAにより1979〜1983年に実施された,橋梁訓練センターにおける能力開発,技術移転の事例を対象にケース作成を行う.当時,ビルマでは,河川横断のための橋梁が不足して交通容量が不足し,深刻な交通渋滞が発生したため,多数の橋梁の整備が必要とされていた.しかし,当時のビルマでは,現地技術者が不足していたとともに,工学的架橋技術の他プロジェクトをマネジメントする技術力も十分ではなかった.そこで,JICAは,橋梁建設プロジェクトの実施プロセスを通じて,地元技術者に対する訓練を行い,OJTの一環として実際に橋梁を完成させた.その後,このプロジェクト終了後も,ミャンマー人技術者の手によって,独自の設計,施工管理/監理が行われ,結果的に100以上もの橋梁が建設された.その意味で,このプロジェクトは,国際援助を通じて,現地技術者の能力開発に成功した典型的な事例と言える.そこで,今回の講義では,この事例を対象に,能力開発・技術移転が成功した原因が何であったのかを検討し,それを論点の中心として,ケースを作成することとする.ケース作成に当たっては,JICA等の作成した報告書等の文献調査に加えて,当時の専門家に対するインタビューを実施することを予定している.
学期終了後,希望者が現地(インド)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2010年度:国際プロジェクトに関するケース作成 (詳細

国際プロジェクトを対象として,学部・大学院講義で利用可能な水準のケース作成を目指す.具体的には,
  1. ドバイメトロ建設に関するケースを作成する.本事業はドバイ政府道路交通局(RTA)によるプロジェクトであり,円借款等の開発援助事例ではないが,Siemens(独)・Alstom(仏)・Bombardier(米)のコンソーシアムとの競合の末,日系企業中心のコンソーシアムによって受注された事例である点に特徴がある.ただ,度重なる設計変更や経済・社会情勢の変化などにより多くの困難があり,また予算の大幅な拡大の責任について施主とコントラクターの間で議論があるなど,「失敗」ともとれる点の多いプロジェクトであった.プロジェクト受注前から完工後までを詳細に描写し,「成功か失敗か」を評価するとともに,日系企業による受注であったことの影響を分析するケースの作成を目指す.
  2. 日本の優れた技術を用いた,途上国におけるBOPビジネスに関するケースを作成する(インド・チョットクールなど).
  3. ハノイの都市開発マスタープランに関するケースを作成する.本プロジェクトはJICAによる開発調査案件(2004?2007)で,都市開発計画(マスタープラン)・都市交通計画・水環境計画(上下水道)・住環境計画・F/Sからなるハノイ市総合都市開発計画(HAIDEP)の策定を行った.
学期終了後,希望者が現地(ドバイ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
 
 
2009年度:インドネシア・ジャカルタMRTプロジェクト

インドネシア・ジャカルタにおけるMRT建設プロジェクト(JBIC・円借款)を対象として,
  1. MRTの路線・デポ建設等から予想される住民移転問題について,推測されるシナリオやその解決策・予防策を検討する.
  2. 公共交通の料金設定理論や類似事例(TransJakartaやその他東南アジアにおける公共交通システムなど)の分析に基づき,事業主体が設定した料金案を評価する.
  3. ソーシャル・マーケティングの理論や手法,MRTが及ぼす社会的影響の分析(Social Impact Assessment),既存の公共交通選択行動に関する分析に基づき,独自のPR(Public Relations)戦略を構築する.
学期終了後,希望者が現地(ジャカルタ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
   
 
2008年度:インドネシア・ジャカルタMRTプロジェクト

インドネシア・ジャカルタにおけるMRT建設プロジェクト(JBIC・円借款)を対象として,
  1. インドネシアにおける地方分権の進展や,インドネシア政府およびDKI Jakarta政府の政治的権力構造,政治的決定プロセスの分析を通じ,MRT運営会社(MRTC)の円滑な運営のために必要な対応策(政治的独立性の担保方法,関係主体との連携方法など)や,今後の政策決定への提言をまとめる.
  2. 公共交通の料金設定理論や類似事例(TransJakartaやその他東南アジアにおける公共交通システムなど)の分析に基づき,事業主体が設定した料金案を評価する.
  3. PR(Public Relations)の理論や手法,MRTが及ぼす社会的影響の分析(Social Impact Assessment),ケーススタディに基づき,独自のPR戦略を構築する.
学期終了後,希望者が現地(ジャカルタ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
   
 
2007年度:インドネシア・ジャカルタMRTプロジェクト (詳細

インドネシア・ジャカルタにおけるMRT建設プロジェクト(JBIC・円借款)を対象として,
  1. Social Impact Assessment(SIA,社会影響評価)のフレームワークをもとに,対象地域社会に与える影響を予測・分析する.
  2. 計画主体の料金設定案について学び,さらに公共交通の料金設定理論や需要予測,料金設定による影響を考慮して,独自の料金設定案を提示する.
  3. PR(Public Relations)の理論や手法,および現地社会の特性について学び,独自のPR戦略を構築する.
学期終了後,希望者が現地(ジャカルタ)に赴き,それぞれの成果について現地のプロジェクト関係者・専門家に説明し,意見交換を行う.
   

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