ミッション・プログラムTとは

社会問題解決のための重要と考えられるミッションを設定し、その目標達成に必要な研究チームを組織し研究を実施する。平成13年度から第一のミッションとして「安全性に係わる社会問題解決のための知識体系の構築」に関する研究を開始。

研究の目的

安全性に係わる社会問題の解決を目指して,あるべき社会システムを実現するための知識体系を構築することを目的とする。

研究体制

安全性に係わる社会問題の解決のための知識体系のフレームワーク構築と知識の統合・一般化に関する研究を行う「総括グループ」と、知識体系にかかわる知見を提供するとともに特定課題解決の方策を図るために特定課題に関する研究を行う「特定課題研究グループ」から構成する。

ミッション・プログラム研究統括:小宮山 宏 東京大学副学長・大学院工学系研究科教授

ミッション・プログラムTの研究の進め方

 研究は、以下に示す方法により進める。

方法−1:ニーズの体系化と知の構造化
安全性に係わる社会問題に関連するニーズ(工学に対する要請)を体系化し、それぞれのニーズにこたえる知を構造化し、複雑な問題の全体像を把握できるようにする。
・方法−2:事実の明示化と共通認識の醸成
問題解決のために明らかにされるべき事実をリストアップし、優先順位をつけ、優先順位の高いものから事実を明らかにし、その根拠を示すことにより、共通認識を醸成し、解決策の選択・実行に対する社会的意思決定の基盤を形成する。
・方法−3:革新的技術の開発
安全性に係わる社会問題の解決に役立ち、社会システムの革新をもたらす技術の開発を行う。
・方法−4:社会システムのあり方の提示
方法−1〜方法−3の成果を前提として、安全で安心して暮らせる社会の実現を目指した社会システムのあるべき姿を提示する。特に、社会的意思決定・施行システムのあり方、教育・社会コミュニケーションのあり方の提示に努める。

研究課題

1.総括研究グループが実施する研究課題

 総括研究グループは、安全性に係わる本ミッション研究の総括を実施するとともに、安全性に係わる社会問題解決のための知識体系のフレームワークと知識の統合・一般化に関する研究を実施。また総括研究グループに付置される個別研究サブグループによって下記に示す個別研究を実施。

(1)総括研究グループ
体系化されたニーズ、構造化された知、明示化された事実の社会コミュニケーションツールに関する研究
リーダー:堀井秀之(東京大学 大学院工学系研究科教授)
(2)会話型知識プロセス研究グループ
会話型知識プロセスの構築と実証に関する研究
リーダー:西田豊明(東京大学 大学院情報理工学系研究科教授)
(3)交通安全研究グループ
交通事故に関する知識の体系化と交通安全性向上のための社会システムに関する研究
リーダー:加藤浩徳(東京大学 大学院工学系研究科講師)

2.特定研究課題グループが実施する研究課題

 特定研究は、平成13年度から以下の特定研究課題について研究を開始。

(1)失敗学研究グループ
失敗学の構築と失敗学習型システムの提示に関する研究
リーダー:中尾政之(東京大学 工学部付属総合試験所教授)
(2)社会心理学研究グループ
安全性拡充のための社会心理学的装置/技術の開発に関する研究
リーダー:岡本浩一(東洋英和女学院大学 人間科学部教授)
(3)原子力安全T研究グループ
原子力安全システムの総合的設計に関する研究
リーダー:古田一雄(東京大学 大学院新領域創成科学研究科教授)
(4)原子力安全U研究グループ
安全確保のためのコミュニケーションシステムの開発に関する研究
リーダー:田辺文也(日本原子力研究所原子炉安全工学部 研究主幹)
(5)地震防災研究グループ
大都市域における地震リスクと防災・危機管理技術に関する研究
リーダー:清野純史(京都大学 大学院工学研究科助教授)
(6)化学プロセス安全研究グループ
化学プロセス施設の安全性に係わる社会的合意形成に関する研究
リーダー:松田光司(鹿島石油株式会社 顧問)
(7)医療安全研究グループ
医療の有効性・安全性評価システムによる知識の体系化および医療安全の向上に関する研究
リーダー:永井良三(東京大学 大学院医学系研究科教授・医学部附属病院長)
(8)法システム研究グループ
安全性確保に係る法システムの横断的分析と再構築に関する研究
リーダー:城山英明(東京大学 大学院法学政治学研究科助教授)
(9)リスクマネジメント研究グループ
社会問題解決のためのリスクマネジメント技術の開発に関する研究
リーダー:阿部雅人(東京大学 大学院工学系研究科助教授)

研究課題の位置づけ

 研究課題は、上記4研究方法と研究対象分野との関係において図のように位置付けられる。